制度の仕組み・受入要件・特定技能との違い・育成就労への移行を行政書士が徹底解説
- 1. はじめに
- 2. 技能実習制度とは?
- 3. 技能実習制度の本来の目的
- 4. 技能実習の在留資格区分
- 5. 受入方式は2種類
- 6. 監理団体とは?
- 7. 2026年の重要ポイント
- 8. 技能実習生を受け入れる企業の要件
- 9. 技能実習計画認定制度とは
- 10. 優良実習実施者とは
- 11. 優良監理団体とは
- 12. 技能実習の対象職種
- 13. 監理団体の選び方
- 14. 技能実習生の権利は法律で保護されています
- 15. 実習実施者(受入企業)の主な義務
- 16. 実習先変更制度
- 17. 技能実習計画の認定取消し・受入停止
- 18. 技能実習から特定技能への移行
- 19. 育成就労制度との関係
- 20. 行政書士からの実務アドバイス
- 21. よくある質問(FAQ)
- 22. 行政書士へ依頼するメリット
- 23. 2026年に企業が注意すべきポイント
- 24. まとめ
- 25. 無料相談のご案内
1. はじめに
「技能実習制度は廃止されたのですか?」
「技能実習生を受け入れたい。」
「特定技能との違いが分からない。」
近年、このような相談が急増しています。
特に2024年以降、
政府が技能実習制度の廃止と新たな育成就労制度の創設を決定したことから、
制度の内容を正確に理解できていない企業も少なくありません。
結論から言うと、
2026年現在、技能実習制度はまだ存続しています。
ただし、
今後は育成就労制度へ移行することが決定しており、
現在はその経過措置期間にあります。
この記事では、
- 技能実習制度とは何か
- 特定技能との違い
- 受入れの仕組み
- 受入企業の要件
- 育成就労制度との関係
について、
2026年最新情報を踏まえて解説します。
2. 技能実習制度とは?
技能実習制度とは、
開発途上地域等の外国人に対して、
日本の技能・技術・知識を習得してもらい、
母国の経済発展に役立ててもらうことを目的とした制度です。
制度の法的根拠は、
2017年11月に施行された
外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)
です。
3. 技能実習制度の本来の目的
ここは行政書士試験でも頻出ポイントです。
技能実習制度の目的は
労働力確保ではありません。
法律上は、
国際貢献
が制度目的です。
そのため、
制度上は
「外国人労働者」
ではなく
「技能実習生」
として位置付けられています。
もっとも、
実際には人手不足分野で活用されることが多く、
制度目的と実態の乖離が長年指摘されてきました。
その結果として、
現在の育成就労制度創設につながっています。
4. 技能実習の在留資格区分
技能実習は次の3段階で構成されています。
| 区分 | 在留期間 |
| 技能実習1号 | 1年以内 |
| 技能実習2号 | 2年以内 |
| 技能実習3号 | 2年以内 |
最大で5年間在留できます。
技能実習1号
来日直後の段階です。
講習や基礎的な実習を行います。
技能実習2号
技能検定等に合格すると移行できます。
実際の受入企業で本格的な実習を行います。
技能実習3号
優良な監理団体・実習実施者のもとで、
さらに高度な実習を行う段階です。
2号から3号へ移行する際には、
一定の試験合格などが必要になります。
5. 受入方式は2種類
技能実習制度には、
次の2つの方式があります。
① 企業単独型
日本企業が海外の現地法人や取引先企業から直接受け入れる方式です。
大企業で利用されることが多い制度です。
② 団体監理型
最も一般的な方式です。
監理団体が実習生を受け入れ、
企業へ配属します。
現在の技能実習生の大多数は
団体監理型です。
6. 監理団体とは?
監理団体とは、
技能実習生の受入れを監督する非営利団体です。
例えば、
- 商工会
- 商工会議所
- 協同組合
- 中小企業団体
などが該当します。
監理団体は、
国から許可を受けなければなりません。
7. 2026年の重要ポイント
2026年4月には、
出入国在留管理庁が技能実習制度運用要領を改正しました。
また、
2026年4月には
「育成就労制度の施行に伴う技能実習の経過措置Q&A」
も公表され、
技能実習制度から育成就労制度への移行準備が本格化しています。
したがって、
2026年以降に受入れを検討する企業は、
技能実習制度だけでなく、
将来の育成就労制度まで見据えた対応が必要になります。
8. 技能実習生を受け入れる企業の要件
技能実習生を受け入れる企業(実習実施者)は、「人手不足だから」という理由だけで受け入れることはできません。
技能実習法では、適正な技能実習を実施できる体制を備えていることが求められます。
主な要件は次のとおりです。
① 適正な雇用契約
技能実習生とも労働契約を締結します。
そのため、
- 労働基準法
- 最低賃金法
- 労働安全衛生法
など、日本人労働者と同様に労働関係法令が適用されます。
② 技能実習責任者等の配置
受入企業では、次の担当者を選任する必要があります。
- 技能実習責任者
- 技能実習指導員
- 生活指導員
これらは兼任できる場合もありますが、それぞれの役割を適切に果たせる体制が必要です。
③ 法令違反がないこと
例えば、
- 賃金未払い
- 長時間労働
- 労働災害の隠ぺい
- 不法就労助長
など重大な法令違反がある企業は、技能実習生を受け入れることができません。
9. 技能実習計画認定制度とは
技能実習を開始する前には、
技能実習計画
を作成し、認定を受ける必要があります。
技能実習計画には、次のような事項を記載します。
- 実習内容
- 実習期間
- 到達目標
- 指導方法
- 技能検定受検計画
- 実習責任者
認定を受けないまま技能実習を開始することはできません。
10. 優良実習実施者とは
技能実習2号までは通常の実習実施者でも受入れが可能です。
しかし、
技能実習3号
へ移行するためには、
受入企業が
優良実習実施者
である必要があります。
優良認定のメリット
優良認定を受けると、
- 技能実習3号(最長5年)への移行が可能
- 受入人数枠の拡大
などのメリットがあります。
評価項目
優良実習実施者は、主に次のような項目で評価されます。
- 技能修得実績
- 技能検定等の合格率
- 指導体制
- 法令遵守
- 地域への貢献
- 技能実習の適正な実施状況
現在は**150点満点中90点以上(6割以上)**が目安とされています。
11. 優良監理団体とは
団体監理型の場合、
監理団体にも
優良監理団体(一般監理事業)
である制度があります。
優良監理団体になることで、
技能実習3号まで監理できるようになります。
評価項目には、
- 監査体制
- 法令遵守
- 指導実績
- 相談対応体制
などがあります。
12. 技能実習の対象職種
2026年現在、
技能実習制度では、多数の職種・作業が対象となっています。
代表例は次のとおりです。
- 建設
- 農業
- 漁業
- 食品製造
- 機械加工
- 金属プレス
- 溶接
- 電気機器組立て
- 自動車整備
- ビルクリーニング
- 繊維・衣服製造
- 介護
対象職種・作業は随時見直されるため、受入れを検討する際は最新の対象職種一覧を確認する必要があります。
13. 監理団体の選び方
企業にとって、監理団体選びは非常に重要です。
費用だけで選ぶのではなく、次の点を確認することをおすすめします。
- 許可を受けた監理団体か
- 実績が豊富か
- 定期監査が適切に行われているか
- 母国語での相談体制があるか
- トラブル対応の経験があるか
監理団体の一覧は、外国人技能実習機構が公表しています。
14. 技能実習生の権利は法律で保護されています
技能実習制度では、
「技能を学ぶ制度だから労働法は適用されない」
と思われることがあります。
これは誤りです。
技能実習生も、
日本人労働者と同様に
労働関係法令によって保護されています。
例えば、
- 労働基準法
- 最低賃金法
- 労働安全衛生法
- 労働契約法
- 労災保険法
などが適用されます。
つまり、
技能実習生だからという理由で、
賃金を低くしたり、
長時間労働を命じたりすることはできません。
15. 実習実施者(受入企業)の主な義務
技能実習生を受け入れる企業には、多くの法的義務があります。
(1)適正な技能実習の実施
認定を受けた技能実習計画どおりに実習を実施しなければなりません。
実習計画と異なる業務に従事させることは認められません。
(2)適正な賃金の支払い
技能実習生にも最低賃金法が適用されます。
- 地域別最低賃金
- 特定(産業別)最低賃金
のいずれか高い方を支払う必要があります。
残業代や深夜割増賃金についても、日本人と同様の取扱いが必要です。
(3)社会保険への加入
要件を満たす場合は、
- 健康保険
- 厚生年金保険
- 雇用保険
- 労災保険
への加入が必要です。
(4)安全衛生管理
技能実習生に対しても、
- 安全教育
- 健康診断
- 労働災害防止教育
を実施しなければなりません。
(5)帳簿・記録の保存
受入企業は、
技能実習の実施状況や労働時間、賃金支払状況などを適切に記録・保存する義務があります。
監理団体や関係行政機関による監査・実地検査で提示を求められることがあります。
16. 実習先変更制度
以前は、
「技能実習生は転職できない」
と言われていました。
現在でも原則は同じですが、
制度改正により、
一定の場合には
実習先変更
が認められています。
実習先変更が認められる例
例えば、
- 賃金未払い
- 暴力
- ハラスメント
- 会社倒産
- 技能実習継続が困難
- その他やむを得ない事情
などです。
技能実習生本人の保護を目的として、
監理団体や関係行政機関が変更先の調整を行うことがあります。
17. 技能実習計画の認定取消し・受入停止
法令違反があった場合には、
技能実習計画の認定取消しや受入停止などの行政処分が行われることがあります。
主な事例は次のとおりです。
- 虚偽申請
- 賃金未払い
- 長時間労働
- 実習計画と異なる業務への従事
- 名義貸し
- 不法就労助長
- 監査妨害
- 帳簿の虚偽記載
これらの違反は、技能実習法に基づき厳しく対処されます。
18. 技能実習から特定技能への移行
近年、最も多い相談が
「技能実習修了後はどうなるのか」
というものです。
技能実習2号を良好に修了した外国人は、
同一職種・作業区分に対応する特定技能1号へ移行する場合、
原則として技能試験・日本語試験が免除されます。
ただし、
- 雇用先が特定技能の受入要件を満たすこと
- 適正な雇用契約を締結すること
- 必要な在留資格変更許可申請を行うこと
などの条件があります。
19. 育成就労制度との関係
2024年の法改正により、
技能実習制度は将来的に
育成就労制度
へ移行することが決まりました。
2026年現在は経過措置期間であり、
技能実習制度による受入れも継続されています。
育成就労制度では、
- 人材育成
- 人材確保
- 特定技能への円滑な移行
を目的とする制度設計となっています。
また、一定の要件を満たした場合には転籍(転職)が認められるなど、技能実習制度とは異なる仕組みが導入される予定です。
20. 行政書士からの実務アドバイス
技能実習制度では、
「監理団体がいるから安心」
と考えられがちですが、
受入企業自身にも重い法的責任があります。
特に近年は、
- 労務管理
- 安全衛生管理
- 適正な実習実施
- 技能実習計画の遵守
について行政の確認が厳格化しています。
また、将来的な特定技能や育成就労制度への移行を見据え、受入れ開始時から長期的な外国人材活用計画を立てておくことが、企業にとって重要なポイントとなります。
21. よくある質問(FAQ)
Q1. 技能実習制度は2026年現在も利用できますか?
はい。
2026年現在も技能実習制度は継続しており、新たな技能実習生の受入れや技能実習計画の認定も行われています。
一方で、技能実習制度は将来的に育成就労制度へ移行することが決定しているため、受入企業は今後の制度変更も視野に入れて準備を進めることが重要です。
Q2. 技能実習制度はいつ廃止されますか?
育成就労制度を創設した改正法では、制度の施行日は公布日(2024年6月21日)から3年以内の政令で定める日とされています。2026年7月現在、施行日はまだ政令で確定しておらず、技能実習制度は引き続き運用されています。
そのため、「2027年に必ず廃止される」と断定するのではなく、政令で定める施行日に育成就労制度へ移行する予定と説明するのが正確です。
Q3. 技能実習生はアルバイトできますか?
できません。
技能実習生は認定された技能実習計画に基づく活動のみが認められています。
他社で働くことや副業を行うことは、原則として認められていません。
Q4. 技能実習生は家族を呼ぶことができますか?
できません。
技能実習の在留資格では、
- 配偶者
- 子
の帯同は認められていません。
Q5. 技能実習終了後はどうなりますか?
主な進路は、
① 帰国
② 技能実習3号
③ 特定技能1号への移行
です。
近年は、
技能実習2号修了後に特定技能へ移行するケース
が最も増えています。
Q6. 技能実習生は転職できますか?
原則として自由な転職は認められていません。
ただし、
- 賃金未払い
- 暴力
- ハラスメント
- 倒産
- その他やむを得ない事情
がある場合には、
実習先変更制度を利用できる場合があります。
22. 行政書士へ依頼するメリット
技能実習制度では、
在留資格申請だけではなく、
技能実習法
労働法
入管法
の知識が必要になります。
行政書士へ依頼することで、
次のようなサポートを受けることができます。
① 受入要件の事前診断
企業が技能実習生を受け入れられるか、
法令に基づいて確認します。
② 必要書類の作成支援
- 在留資格認定証明書交付申請
- 在留資格変更許可申請
- 在留期間更新許可申請
などの書類作成を支援します。
③ 技能実習から特定技能への移行支援
技能実習修了後、
特定技能への移行を円滑に進められるよう支援します。
④ 育成就労制度への対応
今後の制度改正を見据え、
企業ごとの採用計画に応じたアドバイスを行います。
23. 2026年に企業が注意すべきポイント
現在、
企業が特に注意すべき点は次のとおりです。
① 技能実習制度はまだ終了していない
誤解が非常に多いポイントです。
現在も受入れ可能です。
② 育成就労制度への移行を見据える
今後は、
技能実習だけではなく、
育成就労
↓
特定技能
という流れが中心になります。
③ 労務管理がより重要になる
行政による監査では、
- 労働時間
- 賃金
- 社会保険
- 安全衛生
- 実習内容
が重点的に確認されます。
④ 特定技能との連携
現在は、
技能実習修了後、
特定技能へ移行するケースが非常に増えています。
受入企業も、
最初からその流れを想定して採用計画を立てることが望ましいでしょう。
24. まとめ
技能実習制度は、
長年、日本の外国人材受入制度の中心的役割を担ってきました。
2026年現在も制度は継続していますが、
今後は育成就労制度へ移行することが予定されています。
そのため、
企業には、
- 法令遵守
- 技能実習生の保護
- 将来制度への対応
がこれまで以上に求められます。
また、
技能実習終了後に特定技能へ移行する外国人も多く、
採用から育成・定着までを見据えた人材戦略が重要です。
25. 無料相談のご案内
外国人材の受入れをご検討中の企業様へ。
当事務所では、
次のようなご相談に対応しております。
✅ 技能実習制度のご相談
✅ 在留資格認定証明書交付申請
✅ 在留資格変更・更新申請
✅ 特定技能への移行支援
✅ 育成就労制度への対応相談
✅ 外国人雇用全般に関する法務サポート
制度の選択から申請手続まで、
企業様の状況に応じて丁寧にサポートいたします。
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代表 上田信吾
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