家族滞在ビザを徹底解説【2026年最新版】

外国人ビザ

配偶者・子どもの呼び寄せから資格外活動許可まで行政書士が詳しく解説

1. はじめに

「日本で働いていますが、妻や子どもを日本へ呼び寄せることはできますか。」

「家族滞在ビザでアルバイトはできますか。」

「親を日本へ呼ぶことはできますか。」

行政書士事務所では、このような相談を数多く受けます。

「家族滞在」は、就労資格などで日本に在留する外国人が、配偶者や子どもと日本で生活するための重要な在留資格です。

一方で、

  • 誰でも呼び寄せられるわけではない
  • 十分な扶養能力が必要
  • 家族関係を証明する書類が必要
  • アルバイトには資格外活動許可が必要

など、実務上注意すべき点が数多くあります。

本記事では、行政書士実務の視点から、家族滞在ビザについて分かりやすく解説します。


2. 家族滞在ビザとは

「家族滞在」は、入管法別表第一に規定される在留資格です。

日本で一定の在留資格を持つ外国人(扶養者)の扶養を受ける配偶者や子が、日本で日常生活を送るために認められる在留資格です。


家族滞在の対象となる扶養者

代表的な在留資格

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 高度専門職
  • 経営・管理
  • 企業内転勤
  • 教授
  • 研究
  • 医療
  • 介護
  • 技能
  • 留学(一定の場合)

など


3. 対象となる家族

家族滞在で呼び寄せることができるのは、

原則として次の家族です。


(1)配偶者

法律上有効な婚姻関係にある配偶者です。

対象となります。


注意

内縁関係

婚約者

同性パートナー

は、原則として家族滞在には該当しません。(個別事情に応じて別の制度が検討される場合があります。)


(2)子ども

対象

□ 実子

□ 養子(一定の場合)

未成年で扶養を受けることが基本です。


(3)対象にならない家族

次の方は、

通常は家族滞在では呼び寄せできません。

□ 父母

□ 祖父母

□ 兄弟姉妹

□ おじ・おば

これらの親族については、他の在留資格や特別な事情がある場合を除き、「家族滞在」の対象外です。


4. 家族滞在の許可要件

入管では、次の事項を総合的に審査します。


(1)扶養関係

もっとも重要です。

扶養者が実際に生活費を負担できることを証明します。

確認資料

□ 在職証明書

□ 課税証明書

□ 納税証明書

□ 預金残高

□ 雇用契約書


(2)家族関係

確認資料

□ 婚姻証明書

□ 出生証明書

□ 戸籍

□ 養子縁組資料

外国語資料には日本語訳を添付します。


(3)生活基盤

扶養者の

収入

勤務状況

住居

などが確認されます。


(4)在留状況

扶養者自身が適法に在留していることも重要です。


5. 家族滞在が許可されない主なケース

実務上、

相談が多い事例です。


ケース①

扶養収入不足

生活困難

不許可


ケース②

婚姻証明不足

家族関係不明

追加資料


ケース③

出生証明書不足

親子関係不明

不許可


ケース④

虚偽申請

不許可


ケース⑤

扶養実態なし

形式的申請

慎重審査


6. 必要書類一覧(2026年版)

家族滞在ビザでは、海外から呼び寄せる場合(在留資格認定証明書交付申請)と、日本国内で在留資格変更を行う場合で提出書類が一部異なります。

基本的な考え方は、

①家族関係を証明する資料

②扶養能力を証明する資料

③適法な在留状況を示す資料

の3つをそろえることです。

(1)申請書

□ 在留資格認定証明書交付申請書

または

□ 在留資格変更許可申請書

(2)本人(配偶者・子)の書類

□ パスポート

□ 写真

□ 在留カード(変更申請の場合)

(3)扶養者の書類

□ 在留カード

□ パスポート

□ 在職証明書

□ 雇用契約書

□ 課税証明書

□ 納税証明書

□ 預金残高証明書(必要に応じて)

(4)家族関係資料

配偶者

□ 婚姻証明書

□ 戸籍謄本(該当する場合)

子ども

□ 出生証明書

□ 親子関係証明書

外国語書類には日本語訳を添付します。

7. 在留資格認定証明書交付申請の流れ

海外にいる家族を呼び寄せる場合の一般的な流れです。

1日本側で申請準備

扶養者が必要書類を収集し、行政書士と内容を確認します。

2入管へ申請

地方出入国在留管理局へ在留資格認定証明書交付申請を行います。

3認定証明書交付

審査後、認定証明書が交付されます。

4海外へ送付

家族へ認定証明書を送ります。

5査証申請

現地の日本大使館・領事館で査証(ビザ)を申請します。

6入国・在留カード交付

日本入国時に在留カードが交付されます(対象空港)。

8. 家族滞在でアルバイトはできる?

結論:資格外活動許可を取得すれば可能です。

家族滞在の本来の活動は「扶養を受けて生活すること」であり、自由に働けるわけではありません。

資格外活動許可とは

出入国在留管理庁から許可を受けることで、一定範囲のアルバイトが可能になります。

一般的な上限

週28時間以内

(長期休暇中は別途取扱いがあります。)

注意点

次の業務は原則として認められません。

□ 風俗営業関連

□ 接待を伴う飲食店

□ パチンコ店の一部業務

など

9. 更新申請のポイント

更新では、「現在も扶養関係が継続しているか」が重要になります。

確認事項

□ 同居継続

□ 扶養継続

□ 扶養者の収入

□ 納税状況

□ 年金・健康保険

□ 子どもの就学状況


10. 不許可となりやすい事例

家族滞在ビザでは、「家族関係」と「扶養能力」の両方が重要です。

実務上、不許可や慎重審査となりやすい代表例を紹介します。


ケース① 扶養能力不足

扶養者の収入が低く、日本で家族全員が生活できる見込みを十分に説明できない場合です。

  • 就職直後で収入実績が少ない
  • 転職直後で給与が未確定
  • 扶養家族が多い

対応策

  • 雇用契約書
  • 給与見込証明
  • 預金残高証明
  • 勤務先説明資料

などを追加提出します。


ケース② 婚姻・親子関係の立証不足

海外で発行された証明書のみでは、

家族関係が十分に確認できない場合があります。

提出例

□ 婚姻証明書

□ 出生証明書

□ 戸籍

□ 家族写真

□ 送金記録


ケース③ 扶養実態が認められない

形式上は夫婦・親子でも、

実際には扶養関係が認められないケースです。

例えば、

  • 長期間別居
  • 送金実績がない
  • 家計を別々にしている

などです。


ケース④ 資格外活動違反

家族滞在で資格外活動許可を受けずに就労した場合や、許可の範囲を超えて働いた場合は、更新や他の在留資格への変更にも影響する可能性があります。


ケース⑤ 虚偽申請

婚姻関係や親子関係について虚偽の資料を提出した場合は、不許可だけでなく、その後の在留手続にも重大な影響を及ぼすことがあります。


11. 追加資料請求(RFI)への対応

追加資料請求は、「不許可」という意味ではありません。

審査官が判断材料を補充したい場合に行われます。


よく求められる資料

□ 最新の在職証明書

□ 給与明細

□ 預金残高証明書

□ 納税証明書

□ 婚姻証明書の補充資料

□ 出生証明書

□ 送金記録

□ 家族写真

□ 賃貸借契約書

□ 住民票


12. 留学生の家族滞在

留学生も一定の場合には、配偶者や子どもについて家族滞在を申請できます。

ただし、

留学生の場合は、生活費の裏付けについて、より慎重に審査される傾向があります。


確認事項

□ 奨学金

□ 預金残高

□ 本国からの送金

□ アルバイト収入(資格外活動の範囲内)

□ 学費負担状況


行政書士コメント

留学生本人のアルバイト収入だけでは扶養能力の立証が難しい場合もあります。

そのため、本国の家族からの支援や奨学金など、生活費全体を説明できる資料を準備することが重要です。


13. 子どもの就学・保育園手続

家族滞在で来日した子どもは、

年齢に応じて、

  • 保育園
  • 幼稚園
  • 小学校
  • 中学校

へ通うことができます。


14. よくある質問(FAQ)

Q1 親を家族滞在で呼ぶことはできますか?

原則としてできません。

家族滞在の対象は、配偶者と子です。


Q2 家族滞在でフルタイム勤務はできますか?

できません。

資格外活動許可を受けた範囲内で就労する必要があります。


Q3 子どもだけを呼ぶことはできますか?

扶養関係などの事情に応じて可能な場合がありますが、個別の事情に応じた審査が行われます。


Q4 扶養者が転職した場合は影響がありますか?

転職自体で直ちに不許可になるわけではありません。

ただし、扶養能力に影響がある場合は、更新時に勤務状況や収入を説明できるよう資料を準備することが重要です。


Q5 行政書士へ依頼するメリットは?

行政書士は、

  • 扶養能力の診断
  • 家族関係資料の確認
  • 翻訳書類の点検
  • 説明書・理由書の作成
  • 追加資料請求への対応

を通じて、審査官に分かりやすい申請書類を作成します。


15. まとめ

「家族滞在」は、日本で生活する外国人が家族と安心して暮らすための重要な在留資格です。

実務では、特に次の5点が重要です。

  • 法律上有効な家族関係を証明すること
  • 扶養者に十分な扶養能力があること
  • 資格外活動のルールを守ること
  • 更新時も扶養関係が継続していること
  • 外国語書類と翻訳文の整合性を確保すること

単に必要書類を集めるだけではなく、家族構成や生活実態を丁寧に整理し、審査官が理解しやすい形で申請書類を作成することが、許可につながる重要なポイントとなります。

「ウエシン行政書士事務所のホームページ」

代表 上田信吾
所在地 兵庫県神戸市中央区坂口通6-3-22-2
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